取敢えず全段稼働

 どうも、春休みが終わることが受け入れられないさばねっこです。

 始まったときは一か月以上あるし外装含めてコイルガン完成するだろうなーとか思っていたら、想像以上に部活で時間をとられてしまい、全然できませんでした…。ゆるしてヒヤシンス…。

 

 で、そのコイルガンですが、進捗はちゃんとありまして、無事4段すべて稼働させることができました!

  この前の記事で紹介した基板もちゃんと動いてくれたのでよかったです。

 

 そういえばコイルを作り変えました。

 今までのコイルでもよかったのですが、光センサーの感度が悪かったり、コイルとは関係ない部分が多いせいでやたら全長が長かったりといった問題がありました。なのでコイルを作り変えたいなあとぼんやり考えていたのですが──

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 こんな感じで4段目コイルが崩壊。また同じ形式のコイルを作る気にはなれなかったので新しく3Dプリンター製バレルを使ってコイルを作ることにしました。

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つよそう

 適当にCADでモデリングして…

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 印刷して…

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 コイルを巻いて…

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新型コイル

 かんせー!
 光センサーの感度もかなり良くなり、見た目もかなりマシになったので満足です。

 

 で、そこから通電時間とかを調節して…

 出力2.6J効率12%という結果でした。

*tweetでは回収したサージのエネルギーを消費エネルギーを引いており、効率は、出力 / ( 消費 - 回収 ) という風に計算しています。しかし、回収したエネルギーを再利用できるわけではないためこの記事内での効率計算は 出力 / 消費 で計算し、回収したエネルギーは無視します。

 いやー、思ってたより効率低いですね…。個人的には15%ぐらい行ってほしいなあとか思っていたのですが。

 まあそれでもEMLとしてはそこそこの効率なのではないでしょうか。EML効率悪すぎ

 

 

 で、ここからは回路の説明とか考察とか。

 

 とりあえず、今回使った放電回路はこんな感じ。

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 細かい変更点はありますが、形はこれと同じものです。

 まず1段目に通電し…

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 1段目をOFFにしたときに発生するサージをサージ回収1で回収します。

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そして2段目に通電して…

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今度はサージ回収1とサージ回収2でサージを回収します。二つのコンデンサは直列につながっています。

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そして3段目に通電します。この時、3段目にはサージ回収1がメインコンデンサと直列につながっているので、サージ回収1の電荷を3段目に放出することができます。

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そして3段目のサージをサージ回収2で回収。

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 そして4段目に通電します。4段目にはサージ回収2とメインコンデンサが直列につながっているので、2,3段目で回収したエネルギーを放出して…

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OFFにするとサージ回収3でエネルギーを回収します。

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 とまあこんな感じの変態動作をするわけです。

 この方式のメリットは、

 ①スイッチング素子がローサイド側だけで済む

 ②サージ回収コンデンサがメインコンデンサと直列につながっているので、回収したサージを利用する段では、メインコンデンサの電圧が下がっていてもサージ回収コンデンサの電圧分高い電圧をかけられる。

 という点だと思います。

 コイルにはインダクタンスがあるため、流れる電流は、時間と電圧によって変化しますが、高い電圧をかけることで、同じ通電時間でもより多くの電流を流すことができます。

 で、コイルに発生する磁力には電流が大きくかかわってきますので、基本的にはより多くの電流を流したいわけですが、3段目以降はメインコンデンサの電圧が低下している上、弾がかなりの速度で侵入してくることが予想されます。なのでコイルの電流値が十分に増加する前に弾が通過する可能性があるわけです。しかし、この方式を用いると、メインコンデンサの電圧が低下している中でもかなりの電圧をかけることができるため、すぐに大電流を流し始められるというわけです。

 

 

 で、ここからは効率を上げるためにできそうなこと。

 今考えていることとして、コイルやサージ回収コンデンサの変更があります。

 コイルはコイルガンの要と言える部品であり、ここを変えることが高効率化への一番の近道だと思われます。幸い今回はコイル一つ一つを交換できる仕様にしているため、様々なコイルの組み合わせを気軽に試すことができます。

 もう一つのサージ回収コンデンサの変更というのは、現在122uF,47uF,47uFとなっているサージ回収コンデンサの容量を小さくして、より素早くサージを回収できないかなーという考えです。サージを素早く回収できれば、弾の引き戻しが起こりずらくなるため、より効率よく弾を加速させられる可能性があります。

 

 

 とまあこんな感じですね。外装に関しては全くめどが立っていませんし、とりあえず高効率化を目指していこうと思います。