プリント基板コイル(PCBステータ)を使ってモーターを作る会 その1

どうもこんにちは。またもやブログを放置していたさばねっこです。

今回はプリント基板製のコイル(以下PCBステータ)を使ってモーターを製作し、一応回ったのでその紹介って感じです。個人的な忘備録も兼ねて。

取敢えず

  • アキシャルフラックス型
  • コアレス
  • トルクつよいといいな~~

という感じの方針で設計・製作していきます。

ちなみにアキシャルフラックス型を採用したのは、PCBステータとの相性が良かったのと、すでに先駆者(企業)がいたからですね。

pcbstator.com

これとか

engineer.fabcross.jp

これとか

PCBステータの設計

まずは今回の一番の目玉ポイントであるPCBステータを適当に設計していきます。

目玉なのに適当でええんかって感じですが、正直調べても具体的な作例が少なすぎてよくわからんのよ。
とりあえず回ればOKってことで

設計したステータ

こんな感じでkicadでサクッと作ります。円形配列を使えばそう大したことはないですね。なおヤバめなテストの前日にこいつを設計してたら爆死しましたが、それはまた別のお話。

3相モーターにはΔ結線とY結線があるわけですが、どちらが向いているのかわからなかったのでどちらにもできるようにしておきました。

ちなみに、コイル一つ分(?)だけの配線はこんな感じ。

外側から内側への配線はオモテ(赤橙)、内側から外側はウラ(青緑)って感じで配線しています。

あとは同じようなコイルを15°づつずらして配置して完成。

ちなみに4層基板で作りました。

で、JLCPCBに発注してこんな感じで具現化

具現化したステータ

配線抵抗を低減したい時、巻き数を増やしたい時に基板を重ねて使いたかったので一番薄い0.8㎜基板で発注しました。
ちなみに銅箔厚みは外1oz、内0.5ozの一番安いやつです。お金なさすぎて死んじゃう。

 

ローター製作

次にステータの設計に合わせてローターを作っていきます。

ローター

こちらもfusionで適当に作って、

具現化したローター

デカい磁石の間の小さい磁石は磁束を強化するためのやつですね。ハルバッハ配列とか言うらしいです。14極ローターですね。

※ちなみにさばねっこ君はアンポンタンなので後述の通りこのステータでは回りません
ハルバッハ配列用の小さい磁石は若干出っ張っており邪魔だったので速攻外されました。かわいそう。

 

組み立て

さて、ステータとローターができたので適当に組み立てていきます。

モーター概念

軸受部品などを適当に設計して…

印刷して組み立て。

軸を回してみるとしっかり起電力が発生しました。

さて、あとは適当なモタドラをつないで回すだけ、なのですが…

回らない。

はい。まあ一発で行けるとは思ってなかったのでノーダメですが(強がり)

とりあえず原因がわからないので結線をY結線からΔ結線にしてみたり、電流が足りないのかと思って基板を並列にしてみたり…いろいろやってみたけれど回らない。

というわけで一旦頭を冷やしながらステータの配線を見てみると…

これ、必要な磁石数、14じゃなくて16じゃね??

試しに90度ごとに同じ向きで磁石を配置したローターを使ってみると…

あっさり回るやんけ…。

※ちなみにこのミスに気が付かず土日が吹き飛びました。かなしい。

ローター設計変更

というわけで普通にローターの設計ミスってました。

ただ、今使っている磁石だとサイズが大きすぎて16個すべての磁石を収めるのは難しい…とりあえず磁石は8つだけにして設計

ローター(磁石8つ版)

とりあえず無事回ってくれました。

 

今後の展望

というわけでなんやかんや無事にモーターを動かすことができました。

ただ、配線パターンの抵抗が大きすぎてクソデカ損失が発生していたり、磁石も16こフル装備できていないのでその辺をどうにかしないとですね。

取敢えず若干小さい磁石を発注して、基板も少し手直しして発注しようと思います。

 

またお金が消えていく…