ポータブルな電源装置を作った
どうも、春休みが終わりかけていることに焦り始めたさばねっこです。
今回はちまちまと作ってきた電源装置が完成したので紹介したいと思います。
スペックは
電源入力:USB PD(9V2A,5V3A)
出力:15V300mA 2系統(絶縁)、CVCC機能付き
という具合です。
正面から見るとこんな感じ。
つまみはロータリーエンコーダーで、その隣のトグルスイッチはOUTPUTスイッチです。真ん中のトグルスイッチは左右の出力の接続切り替えスイッチで、下図のように出力を正電源2系統、正負電源、独立2系統の3つの中から選ぶことができます。
動作はこんな具合で、ロータリーエンコーダーによって出力電圧、最大電流を設定することができます。
いいね https://t.co/N1r7l4uA2f pic.twitter.com/K0nIHe3uDL
— さばねっこ🐟 (@sabanekko1) 2022年3月24日
いい感じですね。エンコーダーはクリック感があるタイプなのですが、クリックごとにきっかり電圧が変わっていくのは結構気持ちがいいです。電圧は1V、0.1V単位、電流は10mA単位で調整できます。
中身はこんな感じ。
結構詰め詰めな感じになってしまいましたね。まあ入ってるのでOKということで。
一応PD給電ということになっていますが、5V入力でも動かすこと自体はできるのでこんな感じでtype-A to type-Cなケーブルでも一応動かすことはできます。まあ全力は出せないのだけれど。
でもこの形態結構便利なので気に入っています。
さて、ここからは技術的な話とか。
まずは一次側基板
まあ実際に中に入れた基板はここからいろいろ改良したやつなんですけどね。
役割はこんな感じ(雑)
USB PDのトリガーにはこちらの専用ICを使用しています。かなり簡単に使えたのでお勧めです。
あと念のためにポリスイッチを入れてあります。
次にフライバックコンバータですが、こんな感じの回路を使いました……って言いえたらよかったんですが、完全に脳内回路図とトライアンドエラーだけで作ってるので回路図とかないんですよね。描けよっていう話ですがめんどいのよ。まあTL494とTL431を使った普通のやつです。コアはマルツのEF28を使いました。
そういえばこれはちょっと工夫した点、というか学んだ点なのですが、クロスレギュレーション特性をよくするためにトランス一次側のスナバダイオードには割と遅めのやつを使っています。今回は絶縁二系統を出力したいわけですが、フィードバックは一方の出力側からしかとっていません。そんな状況でどちらの出力も安定させるためには、クロスレギュレーション特性を良くする必要があるわけですね。初めはショットキーを使っていたのですがあまりにもクロスレギュレーションがクソザコだったので普通の整流用ダイオードにしたら結構良くなりました。
なんか調べた感じ早すぎるとリンギングして良くないらしいですね。よくわからんけど。
そして次は補助電源のチャージポンプです。回路図はこんな感じ。
555を使ってチャージポンプな倍圧回路を組んでいます。一応ツェナーを使って簡易的な電圧フィードバック回路も付けています。余裕があるならTL431とかにしたほうがいいかも。
で、ここで倍圧して何に使うのっていう話ですが、TL494の駆動電源とMOSFETのゲート電源として使っています。PDで9V供給されていればいいんですが、もし電源入力が5VだったりするとFETでの損失も大きくなってしまいますし、そもそもTL494が動かなくなってしまうんですよね。というわけで割と重要だったりします。
そういえばUSBって電源バスラインに接続していいコンデンサは突入電流の関係で10uFまでらしいですね。しかしフライバックコンバータのようなスイッチング電源は入力リプルもそれなりに大きいですし、それなりな平滑コンデンサを入力側にも付けたいのものです。ということでこんな感じの突入電流防止回路を付けています。
こんな具合の回路で突入電流防ごうかな pic.twitter.com/OwUpMbIRD5
— さばねっこ🐟 (@sabanekko1) 2022年3月11日
シミュったときの電流波形はこんな感じ。
おもしろい pic.twitter.com/ATZpPPVAgc
— さばねっこ🐟 (@sabanekko1) 2022年3月11日
まあなんか電流波形はキモい感じではありますが、USB側にも多少は優しくなるんじゃないかな。しらんけど。
さて、ここからは2次側の回路。
こちら側も例によって例のごとくまともな回路図を起こしていないんですよね。すみません…。構造としてはだいたいこんな感じ。
オペアンプはPICに内蔵されているものを使用しており、V_targetとI_targetはPICのDACにつながっています。で、そこからMOSFETを制御して間接的にPNPトランジスタを動かすことでCVCC機能を実現しています。
そういえばLCDもPICで制御しています。PIC君頑張ってるねー。実際文字データで結構メモリを使ってしまっているのでちょっとつらいです。
コードは800行ぐらいです。
とまあ回路的にはこんな具合です。普通に便利で実用的なものができたんじゃないかなって勝手に思っています。マイコンとかオペアンプとかを使った実験に使っていきたいですね。
というか書くの疲れました。いやまだ正直書き足りない感あるのだけれど。まあなんか思いついたら加筆していきたいと思います。